ルチルクォーツの「ルチル」と呼ばれている正体
ルチルという針状鉱物を内包したクォーツがルチルクォーツですが、
取り込まれているルチルは「金色」や「赤色・褐色」が一般的で、
水晶の成長過程の温度変化によってプラチナ(シルバー)カラーも見られたりします。
また、水晶の成長過程で線状の空洞が出来ることがあり
ホワイトルチルなどと呼ばれていますが、
厳密には「エッチングチューブ(空洞)入り水晶」でルチルではありません。
グリーンルチルと呼ばれるものは、
アクチノライト入りやグリーントルマリン入りのものが殆どで、
本来はメタリックなシルバーグリーンに見えるルチル
ブラックルチルもブラックトルマリン入り水晶をそう呼ぶ事が多いのですが、
ブラックに見えてもよく見ると赤黒い線が本物のブラックルチル。
藍ルチルと呼ばれるものは、
ブルーのトルマリンの内包。これはこれで希少価値が高いがルチルではありません
また、アメジストにゲーサイトやレピドクロサイトが内包されているものも、
パープルルチルやタイチンアメジストとして出ている場合があります。
ちなみに「タイチン」とは「太針」という中国語由来の言葉で、太いルチルのこと。
またルチルには直線状の「天使の矢 ラブアローズ」と呼ばれるものと、
穏やかに湾曲した「ヴィーナスヘア」と呼ばれるものがありますが、
トルマリンの内包では直線のみのラブアローズ。
太陽ルチルというのは放射線状にルチルがあるもの。
太陽ルチルの中心にはルチルの成長する源である黒いヘマタイトがあり。
この黒い部分を好むのは稀少なルチル鉱物好きと云えますが、
美しさの点から好まない人が多いです。