シラーとムーンストーンの雑学
市場でブルームーンストーンとして販売されているものは、
本物のブルームーンストーンではなく、
ペリステライトやブルーのシラーのあるホワイトラブラドライトだったりします。
本物のブルームーンストーンも確かに存在するので、
悪く言えば「偽者」ということになってしまうのですが・
月の満ち欠けにより
光が変化すると云われる月の石と呼ぶにはどれも、
何ら疑いようの無い美しいシラーを見せるパワーストーンです。
それもそのはず、
ムーンストーンもペリステライトもホワイトラブラドライトも、
3つとも同じ長石(feldspar)の仲間なのです。
ただし、化学組成が異なる全く違う鉱物です。
長石族、フェルドスパーは、
化学的にはアルバイト(NaAlSi3O8)/
アノーサイト(CaAl2Si2O8)/
オーソクレース(KAlSi3O8)を主成分とする固溶体を指します。
その混ざり方によりアルカリ長石と、斜長石に大きく分類され、
中でも斜長石はさらに細かく分類されています。
シラーと呼ばれる光の効果(イリデッセンス)は、
2種の鉱物が層をなすことにより(ラメラ構造)
生まれるわけですが、
ムーンストーンはアルバイト(NaAlSi3O8)とアルカリ長石(主にサニディン)の層。
ペリステライトはアルバイトと斜長石のオリゴグレースの層
ホワイトラブラドライトは斜長石のアンデシンと同じく斜長石のカルシックラブラドライトの層
そのため、ブルームーンストーンとして売られている
ペリステライトのほうがよりムーンストーンに近いとは思いますが、
ペリステライトのイリデッセンスは青しかなく、
ムーンストーンのように白い光はありません
また、ホワイトラブラドライトは青以外の色もあるため、
レインボームーンストーンとして売られています。
鑑別的にはムーンストーンは、
ムカデ状の内包物。
ペリステライトとホワイトラブラドライトは針状の内包物となりますが、
目視での鑑別は、物により困難かもしれません。